ヒグマの推定生息数、前回調査の2倍 北海道庁が公表

ヒグマの推定生息数、前回調査の2倍 北海道庁が公表

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北海道でヒグマが増えている。

北海道庁が公表した調査結果によると12年前の調査時に比べてヒグマの生息数がおよそ2倍になったそうだ。

[box type=”shadow” ]北海道庁は26日、12年ぶりのヒグマの生息数調査の結果を道議会で公表した。推定生息数は2244~6476頭と前回調査の約2倍になった。近年、目撃数や捕獲数が増加傾向にあり、今後の保護管理政策などに影響を与えそうだ。

昨年9、10月、道内の約5800人のハンターにアンケート用紙を郵送し、自分の住む自治体で推定されるヒグマの生息数などを聞いた。推定生息数は道内全域で増えており、最も多いのは道東・宗谷地域の1153~3386頭、日高・夕張地域は464~1532頭、渡島半島は379~890頭。ハンターの76%が「(ヒグマが)増えている」と回答した。

道庁によると、ヒグマの捕獲数は2011年度に825頭、12年度に650頭。00年の調査の推定生息数は1771~3628頭だったが、捕獲数が多いとの指摘があり、12年ぶりの調査に踏み切った。  道庁は今後、体毛を採取してDNA鑑定で個体を識別する「ヘア・トラップ法」といった精度の高い調査も検討している。

日本経済新聞 2013/6/26 22:36[/box]

札幌市では市内のエゾヒグマ出没情報を「ヒグマ情報/札幌市中央区」で公表していますが、目撃数は増加傾向にあり2011年には宮の森(さっぽろテレビ塔から車で20分ぐらい)という閑静な住宅街に出没して大きな話題になりました。

人口190万人を超える大都市でここまで人間とヒグマが密接な関係にある都市なんて世界でも札幌ぐらいだと思いますが、ここ数年、人間とヒグマの生活圏が大きく重なり様々な問題が出てくるようになりました。

ドングリの不作によって人里まで降りてくるヒグマを食い止めるために人間の手によって山にドングリやエサを置けばいいという話もありましたが、今回の調査結果からも想像できるように、生息数の増加によるヒグマの生活圏の拡大が大きな原因でしょうから、根本的な解決にはならないでしょうね。

公益財団法人 知床財団のウェブサイト内のコラム「知床財団のSEEDSコラム:札幌市のヒグマ出没騒動について」にて専門家による所見が書かれているのでぜひ読んでみてください。非常に納得。

[box type=”shadow” ]しいて推測すれば、ついにある閾値を超えて堰が切れたのでは?

今、我々は時代の転換点にいるかも? 北海道では、1960年代から1990年まで出没や被害の有無にかかわらず奥山まで入り込んで徹底してクマを殺す春グマ駆除が、道庁の全道的な政策としておこなわれていた。これは実質的に絶滅化政策であった。

また、かつては狩猟者も多く、春グマ駆除以外にも狩猟での捕獲や春以外の時期の出没即捕殺の駆除も積極的に行われていた。その結果、1980年代後半には札幌近郊の石狩西部地区の山々ではほぼ絶滅に近い状況まで追い込まれた。

そのような時代が終わって、かれこれ20年あまり。一時は絶滅の縁に立っていた札幌近郊の山々のヒグマ個体群は回復途上にあると推察される。また、人に追い回された経験を持たぬ、人に対して警戒心がうすい、知床でみられるような「新世代ベアー」が徐々に増えているはずである。

引用元:知床財団のSEEDSコラム:札幌市のヒグマ出没騒動について[/box]

根本的な解決のためには個体数を減らす、つまり以前のように駆除を積極的に行うしかないでしょう。このままでは街中でヒグマによる重大な事故が起きるかもしれません。多分、起きてから初めて本格的に対処していくことことになるんでしょうが、それまでは騙し騙しでいくんでしょうね。

世界自然遺産である道東の知床半島では海岸などいたるところでヒグマを見ることができますが、その地に住む人々は上手にヒグマと付き合っています。漁師さんが作業する傍らで野生のヒグマが佇んでいるなんてよく見る光景だそうです。(※画像検索「漁師 ヒグマ」)

かつて北海道にはエゾオオカミが生息していましたが、人間の手によって絶滅の一途をたどりました。そして、天敵がいなくなったエゾシカが近年、増加し農業被害が深刻化しています。

人間が関わらなければ絶妙なバランスで成り立っていた生態系を崩してしまった以上、責任を持って人間が対処する必要があります。今後の人間とヒグマの関係、正解なんてないだろうけどそれでも答えを出さないといけない時が来たように思います。

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北海道のホームページ

北海道議会のホームページ

photo credit: M Kuhn via photopin cc