松江市で「はだしのゲン」が過激描写を理由に閉架に

松江市で「はだしのゲン」が過激描写を理由に閉架に

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松江市で「はだしのゲン」が過激描写を理由に閉架に

島根県の松江市教育委員会は、昨年12月に漫画家・中沢啓治さんの代表作「はだしのゲン」の閉架措置(書架から利用者が自由に手にとって選べないこと)をもとめ、同作品を所有する市内の小中学校全校が応じたそうです。そのため、現在では子供たちが自由に見ることができない状態が続いています。

閉架措置の理由としては「暴力描写が過激で子供の発達上、悪影響を及ぼす」としていますが、一部からは「言論統制」「検閲」だといった声が出て話題に。

-はだしのゲン

昨年12月に亡くなった、漫画家・中沢啓治さんの広島での被爆体験をもとに、戦中戦後を必死に生き抜こうとする主人公・中岡ゲンの姿を描いた作品。1973年より週刊少年ジャンプにて連載がはじまり、ドラマ、映画、アニメにもなっています。

多くの小中学校の図書室におかれているので、この漫画を一度は読んだことのある方はとても多いと思います。

自分も小学生の頃に読んだおぼえがありますが、「はだしのゲン」の内容で記憶に残っている事柄を思いつくまま箇条書きにしてみました。

  • ギギギギギ・・・
  • 爆風で崩壊した家の下敷きになった父、姉、弟を目の前で亡くす
  • お隣の朴さん優しい
  • お母ちゃん生き残るものの発狂
  • ●●●をひきずって歩く人、人、人
  • ●●●を食べた川エビはまるまる太っていて美味しい
  • 本物の●●●をつかったお土産に喜ぶアメリカの兵隊さん
  • ●●●中毒になり、開店資金に手をつけすっからかんにしたムスビ
  • ゲンの弟に瓜二つの少年・隆太は●●●の使い手
  • 朴さんの変貌ぶり
  • 女性の●●●に一升瓶をいれてビン底を足でどん
  • 妊婦の●●●を銃剣でひらいて●●●を●●●
  • ゲンの恋人、お風呂で血吐く
  • 体中包帯ぐるぐる巻き

ざっと、書き出してみましが思い出せるのはこれぐらいかな。記憶違いで間違っているかもしれないけど、ご容赦を。

子供ながらに、この漫画から感じたことといえば「原爆怖い」「戦争怖い」「ヒロポン怖い」「日本兵怖い」でしょうか。覚せい剤は一種の強壮剤として「ヒロポン」という名で薬局で売られていたということを知りましたし、原爆の恐ろしさ、戦争の悲惨さを「はだしのゲン」が教えてくれました。

日本兵による中国人虐殺の描写は強烈だったなあ。

帽子で目が隠れていて、いかにも悪党な日本兵の絵とおよそ人間の所業とは思えない残虐な行為。別にトラウマになったわけじゃないけど、「中国に対してなんて酷いことを日本はしたんだ」と自分が日本人であることに一種の恥ずかしさを覚えた瞬間だと思います。

あ、ことわっておくと今は違いますよ。インターネッツがなければ、こういう感情をいまでも持ち合わせていたかもしれませんが。

「はだしのゲン」は平和教育の教材としてとても素晴らしい漫画であると思います。だからこそ、描かれている事柄が「事実」かどうかきーーーーーーちり精査して子供たちに伝えることが重要なんじゃないかな、それが大人たちの責任なんじゃないかなと。

いずれにしても、松江市教育委の閉架措置はやりすぎ、あれな人たちが騒いじゃうじゃないか。

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(※追記)

26日、松江市教育委員会が閲覧制限を撤回しました。いったん決めたのなら変えるべきではないと思うけど、あまりの反響の大きさにビツクリしちゃったのかな?

今回の一件で書店では売り切れが相次いでいるようですし、良くも悪くも「はだしのゲン」が再び注目されたという点ではよかったのではないでしょうか。

前も書きましたが「はだしのゲン」は原爆の恐ろしさ、ひいては戦争の悲惨さを学ぶことのできる教材として素晴らしい漫画であることは間違いありません。これは、実際に被爆した経験を持つ作者だからこそ描くことができたんだろうと思います。だからこそ観る者に強く訴えることができるんでしょうね。

しかし、旧日本軍を「完全なる悪」として描き、そのせいでアメリカによる原爆投下があたかも「正義の鉄槌」であるかのように、仕方がなかったことなんだという意識を子供たちに植え付けてしまう恐れもなきにしもあらずで、この点を今後しっかりと議論していくべきかなと。

ま、子供たちが「はだしのゲン」を読んで自虐的な歴史観を漠然と持ったとしても、インターネットが普及した今、一時的なものでしょうね。

 

[highlight]参考URL[/highlight]

「はだしのゲン コミック版 (全10巻)」中沢啓治作・絵 | 株式会社汐文社(ちょうぶんしゃ)

松江市ホームページ

文部科学省ホームページ

photo credit: amanky via photopin cc